慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になるのはなぜ?
風邪やむし歯、頭部の怪我などをきっかけとして起こる副鼻腔の炎症や、急性副鼻腔炎を完治させずに悪化させてしまったことで起こるのが「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」です。
治りにくい慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
症状が風邪と似ており、受診が遅れがちな鼻の病気です。
また、急性副鼻腔炎から進展してしまった慢性副鼻腔炎は治療が難しく、放置していることで慢性気管支炎や喘息の発症リスクも高まります。
急性副鼻腔炎のうちにしっかりと治すこと、慢性副鼻腔炎に進展しまったときにも早期に治療を開始することが大切です。
このような症状がある方は要注意です
- 額から鼻にかけての内側、頬の内側に不快感がある
- 青い鼻水が出る
- 鼻水がのどの奥に垂れて、痰になって辛い
- 頭痛、目の奥の痛みがある
- 集中力が持続しなくなった
- 鼻ポリープを指摘された
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を診断するためにどんな検査をするの?
副鼻腔は、外側から肉眼で観察することはできません。
当院は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の治療において、正確な診断のために、レントゲンやCTによる画像検査を行っております。
特に込み入った部位の病変が疑われる場合には、CTによる三次元の立体画像から詳細を分析する必要があります。
正確な診断があってこそ、適切な治療が可能になります。検査にも万全を期し、患者様に安心していただける治療へとつなげます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と診断されたらどんな治療をするの?
投薬治療とネブライザー療法
慢性副鼻腔炎の治療の基本は、投薬治療とネブライザー療法です。
抗生剤を服用していただきながら、必要に応じて点耳薬を使用します。それらと並行して、鼻吸引・鼻洗浄、ネブライザー療法を継続的に受けていただきます。副鼻腔をきれいに保つことで、治療の効果が高まります。
ネブライザー療法とは
鼻、のどの炎症を抑えるお薬を、超音波で霧状にして放つ機器を使った療法です。
非常に細かい霧になることで、薬剤をしっかりと副鼻腔まで届けることができ、炎症を効率的に和らげます。
このような場合は手術を検討します
炎症が解消し、鼻ポリープもなくなれば、慢性副鼻腔炎が治癒したと言えます。
ただ、投薬治療やネブライザー療法でも十分に効果が得られない場合には、内視鏡による副鼻腔の手術(内視鏡下鼻内副鼻腔手術)を検討する必要があります。
従来の術式と比べ、出血、術後の痛み、顔の腫れ、切開範囲を最小限に抑えられる、患者様のご負担の少ない手術です。